俺は海が怖い。
でも大好きだ。
何が怖いのか?
海に比して自分があまりに小さいからだ。
何故好きなのか?
自分に比して海があまりに大きいからだ。
とくに理屈なく海が好きで、別にサーフィンでも
ボディボードでも良かった。 のにダイビングを
選んだ理由は単純。 たまたま知り合いがイン
トラだったから、泳げない自分でも空気が吸え
溺れないと思ったからである。

沖縄の人が皆泳げると思ったら大間違いで、
海人やダイビング業界に携わっていなければ
わざわざ灼熱の太陽に裸を晒したりしない。
当然、潜ったこともなければ、ダイビングの器
材すら触ったことないこともあるのだ。
とある伊豆のイントラで、ボートダイビングを
経験したことない人もいたし、沖縄でもドリフト
を知らないイントラがいる。
だからと言って危険なわけではなく、誰よりも
安全に自分のホームでは面倒を見ている。
俺はフリーの身、伊豆のいくつかの海でガイド
もするが、やはり常に緊張感を抱えている。
OW講習は2名まで、ファンダイブは4名まで
と、自分に絶対のルールを課している。
それでいても前の晩から、何度も色々なこと
をイメージし、色々なことをシュミレーションし
てしまう。 グループの中でビギナーがいれば
アクシデントがあった場合の対処法や、それ
がどこそこのポイントであればあーしてこー
して・・・。
当日、海のコンディションが少しでも悪いと
更に色々なことを考える。
常にやめる勇気を持っている、というか海を
ナメてはいけないとわかっているので、他の
ダイバーが強行しても俺は回避を選択する。
もちろん、一度海に入ってしまえば恐怖心な
ど吹き飛び、少々のアクシデントをアクシデ
ントとも思わぬ余裕すら出る。

毎年必ず不幸な事故が起こるのだから、や
はり海は危険がいっぱいなのだ。
しかしながら海は我々を呑み込むことよりも、
魚たち同様に生き物として受け容れてくれて
いるのである。
決して海に勝とう、海なんてへっちゃらと思
わず、ルールを遵守して愉しませてもらわな
ければならない。
ある女友達が「死んだ老婆が足をつかむか
ら海には入らない」と言っていた。 そう、
スキー場には雪女が公園には口裂け女が・・
って、いるか!
今年も終わりに近づき、海への感謝をまとめ
る今日この頃。。


「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」☆☆☆
「オール・ザ・キングスメン」☆☆☆
「ゴーストライダー」☆☆☆
「サンキュー・スモーキング」☆☆☆
「Gガール 破壊的な彼女」☆☆☆
「パビリオン山椒魚」☆