ダイビングは安全なマリンスポーツであるけれど、
常に身の危険と隣り合わせなのも事実。
何度か触れているが、俺はOW講習でいきなり
耳の鼓膜を破ってしまった。
今日はその時のことを記しておこう。

ダイバーなら誰でも通る最初の関門がOW講習。
眠い目を擦りながら教科書を開き、浅瀬又はプー
ルで基本を教わる。
その基本中に、早速アクシデントに見舞われた。
イントラの指示通り、一生懸命耳抜きをやってる
のだが、まだ圧がほとんどかかってないせいか、
どの状態になることが耳抜きなのかがわからな
かった。 多分、違和感が無いのだからすでに
耳抜きが出来ている状態なのだろうが、イントラ
によれば「バボっ」と音がするそうな。
ということで、何度も何度も繰り返し、そのうち強
力に”耳抜き状態”を目指した。
そしてある瞬間、まさに「バボボボボ~!!」とい
う爆音を聴いた。
「おっ、成功したか!?」と思いつつ、中耳に水が
入るのを感じた。 不思議と痛みはない。
そして、そのままイントラにOKサインを出し、講
習は進められた。
その日は泊まりのため宿に移動する車中、どうも
耳に違和感を感じた。 ガサゴソと異物が移動す
るような音が聴こえるのだ。 そして段々と、ちょ
っと深く耳かきをしてしまったような痛みが出てき
た。 しかし、疲れもあってかその日はビールを
飲んで深い眠りについた。
翌日、耳の痛みが強くなっていた。 イントラに
そのことを相談すると、どうやら水が溜まってい
る可能性があるので様子を見ながら進めようと
のこと。 
なんとか講習も修了し、帰路につく頃になって痛
みが強烈なものになった。ズキンズキンするのだ。
それをイントラに相談すると、やはり水が溜まっ
てる可能性があるので、3日様子を見て改善され
なければ、プランクトンが腐る恐れもあるから耳
鼻科へ行くようにと指示があった。
その通り3日待って耳鼻科に行くと、見事にピン
ホール、鼓膜に穴が開いていたのである。鼻から
管で空気を入れると、耳からスーっと抜けるのが
わかる。 全治3週間、ダイビング3ヵ月禁止。
すぐにイントラに報告すると、「へぇー、すごいね、
よくそんな状態で頑張ったねー、お大事に」との
こと。 この言葉と強制的ダイビング禁止により、
最初の引退を迎えたのであった。
ある女友達に「耳たぶに穴を開けるのも敬遠す
る男が、鼓膜に穴を開けるとは皮肉なものだ」と
言われた。 その言葉で心に穴が開いたって。。
他人のフリ見て我がフリ直せ、みんなは無事で
あって欲しいと思う今日この頃。。


「ハイテンション」☆☆☆
「タイヨウのうた」☆☆