毎度マナーの悪さに悩まされながらも、また
劇場に足を運んでみた。
「父親たちの星条旗」を観た以上、やはり「硫
黄島からの手紙」を観ないワケにはいかない。
結果から言うと、やはりイーストウッドという人
は、最後にまったく予想していない方向でテー
マを投げかけてくるんだなと、しばらく重い空
気を引きずってしまった。
父親たち~よりも、ストーリー進行が素直で
理解しやすかったが、戦闘シーンやカメラワ
ークは、迫力はあるが目新しさはない。
ジャニーズの二宮くんの演技が評判になって
いたが、あくまでも「ジャニーズにしては」の前
置きが必要。 果たして、イーストウッドをはじ
め、日本語に強いアメリカ人が、あのセリフ回
しで高評価できるかは微妙だと思う。 ただ、
表情の使い方は上手だったので、頭からジャ
ニーズアレルギーを取り払わなければいけな
いのかもしれない。
そして、やはり渡辺謙は存在が飛びぬけてい
た。 多分、アメリカ人から見た武士道=日本
人の象徴になってると思う。日本の映画に出る
と、今ひとつ演技に作品が付いてこれない印象
もあるが、ハリウッド作品になるとドンピシャに
なるから不思議なものだ。
やはり、金遣いだけではなく、現場の気遣いも
日本とは違うのであろう。
そしてエンディングを向かえ、まずまずの映画
だったかなと思った瞬間、エンドロールを見て
ショックを受けた。 すべて英語なのだ。
そうだ、これは日本の映画ではなく、アメリカが、
イーストウッドが作った映画だったのだ。
ここまで「日本人」を表現できるとは、相当の意
気込みを感じるし、さらに父親たち~との比較で、
アメリカと日本の戦争の価値観の相違を嫌でも
感じさせられてしまう。 
映画というよりも、おじいさんの時代の勉強とし
て観るのも良い映画だと思える作品だった。

今回も携帯チカチカ攻撃を数回受けたが、本当
に困ったもんだ。そんなに携帯が好きなら、映画
なんて観に来ないで携帯を見つめていればいい
のに。 たぶん、そんなレベルの人間だし、内容
についていけなくて飽きちゃうのかもな。
ある女友達が「チョコチョコ携帯をチェックする男
は、神経質に見えてキモい」と言っていた。
男に限らず、落ち着きやモラルのない人間は、は
たから見たら哀れでしかないんだなと、また一つ
学んだ今日この頃。。


「硫黄島からの手紙」☆☆☆☆☆
「ジャケット」☆☆