2007年04月

ダイビング 怖かったな~、の話 その7

沖縄へ引率でツアーに行った時の話。
その日は最終日、ケラマでのボートダイビング。
あいにくのコンディションで、波・うねりがあり船上
では酔うくらい。
しかしながら海の中はそれなりに穏やかで、ダイ
ビングをするのに影響はなかった。
が、どうも現地のガイドが落ち着きがなく、あっち
やこっちと、後続を気にするでなく移動を繰り返す。
とくに何があるわけでもないのに、振り回される側
はたまったもんじゃない。
そうこうしているうちに、仲間の一人がエアの残圧
が少ないと合図を送ってきた。
近づいて確認してみると、確かに50を切りレッドゾ
ーンに入っていた。 
自分のを確認すると、80を切りブリージングする
にはEXポイントとの関係を逆算したいところ。
が、知らぬポイントでもあり、ガイドに判断を任せる
のがベストと思い、最後方から先頭をスイスイ進む
ガイドに向かい、仲間のタンクを持ち引っ張り始めた。
そんなことを知らないガイドは相変わらずグングンと
先を進む。 あともう少しで追いつくと思った瞬間、突
然BCにエアが入り込み、急激に体が締め付けられ
た。 一体何が起きたのか理解できず、手でパージ
ボタンを探ってみると人の手に触れた。 ハッとして
慌てて見てみると、仲間が俺のAIR2を勝手に吸い、
しっかり両手で握りこんでいたのだ。 ボタンに気づ
いていないようでガンガンとエアを入れてくる。
当然、そのあおりで二人の体がふわっと浮き始めた。
確か14mの水深だったはずだが、急浮上すれば体
に影響が出る可能性も大いにある。
必死にサインを出し、手を離すよう指示するも相手は
更に力をこめてくる。 さすがに異変に気づいたのか、
ガイドが浮上していく我々を見上げた。
しかし、彼は笑っていた。じっと見つめて大量の泡を
吐き出していた。
締め付けで呼吸困難になりながら浮上を続け、ホー
スを外そうとチャレンジするも上手くいかず、次第に
EXポイントに迎えにくることになっているボートの影
に怯えた。 もはや海面への到着は避けられない。
回りを見回し、耳を立て、祈ることしかできない。
結果、スクリューにミンチにされることもなく無事に
顔を出すことができ、すぐに言葉で説明し浮力を確
保してあげてフリーになることができた。
よくイントラと客が急浮上してスクリューにやられて
死亡するニュースを見るが、なるほどこういう事案も
あるのだと思い、急激に恐怖が襲ってきた。
そして、すぐに他の仲間達もエア切れを起こし自主
的に浮上してきた。
ボートが来るまでの波に揺られ、平衡感覚も弱まり
帰りのボートではぐったりしてしまった。
当然、仲間にはルールの遵守を注意し、ガイドにも
責任感を持つよう忠告したが、そのガイドは「二人が
遊んでるのかと思った」と言いのけやがった。
幸い減圧病にもならずに、夜は酒盛りが出来たもの
の、俺の胸の中に深く深く刻まれた恐怖体験となった。
ある女友達が「死ぬ寸前に人生の走馬灯を見るか、
マンタを見るかはその人の運」と言っていた。
海で死ぬのは本望だが、恐怖を感じて逝くのは遠慮
したいところ。
今年も安全で楽しいダイビングが出来るよう心に誓う
今日この頃。。


「ロッキー・ザ・ファイナル」☆☆☆
「インビジブル 2」☆☆
「間宮兄弟」☆☆☆
「隠された記憶」☆☆☆

サイパン帰省

ようやく、サイパンへの帰省が内定した。
前回、これが最後のツアーと謳って相当充実
させたため、それを超えるツアーを組むのは
容易ではないので、あくまでも個人的な旅とい
うことで、実に3年ぶりの帰省となる。
もちろん、行ける人がいれば合流歓迎。
気になった人はぜひ問い合わせて欲しい。
5月27日~6月2日の間で4日間選択。
ちなみに、俺は地元のニューオープンした安い
ホテルにステイ予定。
新しいポイントとテニアンを攻めるつもりだ。

そんなこともあり、戦々恐々なのがウエットが
入るかどうかと、しばらくメンテしていない器材
の調子。
腐ってない限り現地で修復できるし、大してビ
ビってないが、冬眠明けのブランクがあるだけ
に慎重になる。
ちなみに、プライベートダイビングでは甘える
のが好きなので、ADのCカードを提示している。
たまには責任感を放棄して、殿様ダイビングで
ガス抜きするのもいいものだ。
夏の伊豆解禁の前に、しっかり潮水慣れして
くるとしよう。

しかしながら問題なのが、金と暇だ。
現在、従業員にすべてを任せる準備を進行中
で、うまく売上管理やネット管理がこなせるか、
いくらか心配といえば心配。
また、軍資金も出たトコ勝負。 どうにかなるさ。
ある女友達に「あなたは野生でも生きていける」
と言われたことがある。
そうさ、ラストコマンドの壕に寝泊りし、イントラ
のバイトをして帰りのエアチケットをゲットしても
良いのだ。
久しぶりに野生児の血が騒いできた今日この頃。。


「パニック・フライト」☆☆
「地下鉄に乗って」☆☆☆
「トゥモロー・ワールド」☆☆☆

ダイビング 怖かったな~、の話 その6

さて、八幡野の翌日の話。
前日のアクシデントもすっかり忘れ、朝イチで
宇佐美へと移動した。 もう1人も合流し、計6
人での潜水を楽しむ予定だった。
しかし、見た目は穏やかな海だが、どうやら中
がかなり濁っているとのこと。
現地ガイドと、深くなればある程度クリアになる
のではないかと情報交換し、とりあえずエントリ
ーすることに。
ガイドロープ沿いに潜行するも、やはり真っ白
でかなり視界が悪い。 少し進むも視界は悪く
なるばかり。 後方2人目までしか見えず、し
ばらく止まったまま思案した。 潔くやめても
いいが、チーム内のあるおっさんがEX後ごね
るのが目に見えてるし、タンク代の支払いも渋
ることであろう。 そんな思いが強行へと突き
進むミスリードとなった。 絶対にロープを離さ
ないことと、前後のバディを見失わないことを
各自に指示し、ゆっくりと移動を再開した。
途中、昆布がゆらゆらしていて、まさしく味噌
汁ダイビングの様相。 幸いうねりもなくグルリ
と周遊したのだが、浅瀬に戻ってきてロープを
見失ってしまった!
だいたいどの辺りか見当はつくが、後方も心配
になりその場で浮上することにした。
顔を出してみると、EXポイントの真横数メートル
といった場所でひとまずホッとした。
メンバーも全員無事で、一様にくたびれた表情
をしている。
そこで、少し海面休息をとってからEXすること
にしたのだが、現地のガイドが我々が立ち往生
してるものと思ったらしく、必死の形相で何かを
叫んでいる。 こちらはとくに問題なくプカプカ浮
かんでるだけだし、意味がよくわからない。 
そしていよいよEXと思い移動すると、先ほどの
ガイドがまたもや叫んでいる。 どうやら、遠回
りしてVのあるポイントまで泳いでからEXしろと
いうことらしい。 なんでやねん。 どうやら、自
分のところのダイバーがEXしてるから、その後
ろに並べということらしい。 俺と現地ガイドの指
示の違いに、メンバーも困惑している。 そこで、
言い分はあるものの郷では郷に従うことにした。
ただし、だらだらEXするのはゴメンなので、他の
チームのダイバーもサポートしながらどんどん
メンバーをEXさせた。
その後当然クローズになり、この1本きりの恐怖
ダイビングだったが、自分なりにいくつか反省した。
1っは、おっさんがどんな悪態をつこうがもう少し
早めに切り上げるべきだった。他のメンバーにとっ
ては、ちっとも楽しくなくつらいダイビングでしかな
いのだ。
それともう1っ、現地ガイドとのやりとりがうまくい
かなかったことだ。 こちらの安全を説明不足だ
ったことと、自分の都合を押し付けようとする相手
にもう少し毅然とした態度を取るべきだったかと思う。
当時、DMのペイペイというコンプレックスがそうさ
せたのかもしれないが、その後のイントラ活動の
貴重な経験になったのであった。
ある女友達が「今が良ければ昔は問わない」と言
っていた。
そうなのだ、その経験を積んで一人前になっていく
のだ。 こうしてはいられない、恋も仕事もダイビン
グも、今年は結果を出したいと願う今日この頃。。


「バックダンサーズ!」☆☆
「ブレイブストーリー」☆☆
「ニワトリはハダシだ」☆☆

老犬、死す。

先週、ウチの老犬が力尽きた。
前に書いたが、15歳という高齢と末期の癌と
いうことで、もはや自宅には帰れないと思った
ら、元気に退院して様子を見ていたのだ。

その日、仕事を終えて帰宅すると、奇妙な呼
吸をしていたものの、トコトコと普通に歩いて
近づいてきて出迎えられた。
ヨボヨボだし、毎日どこかしら不調のものの
とくに死を予感させるほどではなかった。
しかし、それがこの目で見る生きている最期
の姿となった。
苦しまなかったと言ったら嘘になるが、それで
もあっ気ない終焉だった。
長く長くピンチを切り抜けてきただけに、あまり
に簡単な死の事実に、冷酷なほど実感がわか
ず淡々と受け容れた。
そして、哀しみがやってくる前に荼毘。
骨壷に入って帰ってきたが、悲壮というよりも
よくぞここまで生きてくれたと充実感の方が大
きい。 この犬の双子の牝が死んだ時、この世
の終わりくらい絶望したのが嘘のようだ。

考えてみれば、15年というのは長い。
俺の成人式の頃から、ほぼ共同生活してきた
のだから、理屈でない「何か」を築いてきただろう。
犬の気持ちはわからないが、彼はわが家に育て
られて幸せだっただろうか。
雨や風に背を丸めることなく、食べるものにも困
らず、具合が悪けりゃ獣医に連れていき、それで
幸せだっただろうか。
ペットに飼われる人間ばかりの現在、人間優先の
姿勢を決して崩さなかった俺。 彼が比較する由
もないが、時間の経過とともにそんな考えが胸を
窮屈にする。
昔、ある女友達に「肉好きな人間が動物愛護者
ぶるのは脳神経がやられてるから注意」と言わ
れた。 ふむ。 確かに。 
が、矛盾こそが人間の証だし、葛藤するのが生
きてる証。 
まだ猫が1匹いるし、そのテーマを胸にその時
まで可愛がってやりたいと思う今日この頃。。


「ナチョ・リブレ」☆☆☆
「テキサス・チェーンソー ビギニング」☆☆☆
「ソウ 3」☆☆☆
「親指さがし」☆

ダイビング 怖かったな~、の話 その5

DMになりたての夏、仲間数人でガイドデビュー戦を
伊豆で開催することになった。
俺、ベテラン3名、中堅のおっさん、ビギナーの若者
の6名でのチーム編成。
初日は得意の八幡野からスタート。 1名が翌日か
らの合流になり、2名ずつバディを組ませての潜行
となった。
1本目、チェックダイブを兼ねてガイドロープ沿いに
行って帰ってくる簡単コース。 非常に穏やかで、透
明度もかなり良好。 無事に水神祭を飾ることが出
来たのであった。
そして2本目。 今度はガイドロープを外れ、あるポ
イントを目指した。 途中、クマノミを発見して紹介し
たり、カタチだけはガイドらしく振舞っていた。
しかしながら、しばらくしてからどうも耳の調子がお
かしくなってきた。 どうも圧がキツイ。 耳が抜けな
い。 とうとうガマンできなくなって、ある根で各バディ
をフリーにして一人軽く浮上を試みた。
すると、水面まであと5mといったあたりで、突然耳
が爆発したような、耳からオナラをしたような音がし
て、グルグルと目が回りだした。 一瞬何が起こった
のか理解できず、しかも目は開いているのに焦点が
あっていないのがわかる。 自分が今どの方向を向
いているのか、浮上しているのか潜行しているのか
もわからなくなり、パニック寸前になってしまった。
しかし、落ち着こうと目を閉じたのが幸いした。 しば
らくするとめまいが治まり、次いで焦点がしっかりと
定まった。 上を見上げ、ダイコンを確認すると水深
3m、自然と中性浮力を保っていたようだ。
少しずつ慎重に再度潜行すると、皆を呼び寄せEX
へ向けて移動を開始した。
その間、頭の中では以前の鼓膜を破った影響か?
このまま無事にEXできるかとの思いが巡る。 心臓
はまだバクバクしていてエアの消費も心配だ。
どうにかこうにかガイドロープまで辿り着いて、やっと
落ち着きを取り戻し、あとは何事もなかったかのよう
にEXすることができた。。
もちろん、仲間はそんなことは知る由もない。 唯一
ベテラン女性ダイバーが「しんどそうだったけど、どう
したの?」と聞いてきたが、爽やかな(?)笑顔で「ちょ
と耳が抜けずらかっただけだから問題ない」と答えた。
そうして、原因がわからずモヤモヤしつつも、記念す
べきデビュー戦を無事に終えた。
だが、翌日に更なる試練が待ち受けているとは、この
時は知る由もなかったのであった。
と、とりあえずここで終了して、次回に持ち越す技を
覚えた今日この頃。。


「デイジー」☆☆☆
「妖怪大戦争」☆☆
「ナイトミュージアム」☆☆☆
「ジェファーソン 冤罪の死刑囚」☆☆☆
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